糖尿病コラムvol.4 患者さんと伴走する
糖尿病の治療とは「患者さんと伴走する」こと
私にとって糖尿病の治療とは「患者さんと伴走する」というイメージだなと感じ始めた時期がありました。このことを大学病院の糖尿病病棟で勤務していた頃、当時たいへんお世話になっていたO先生に話したところ「なるほど。でも本気で伴走するならその数は限られるね」とおっしゃられたのを今でもよく覚えています。自主的な食事療法だけでA1cがある程度にコントロールできてしまうような糖尿病患者さんばかりなら伴走といっても見守っているだけという感じですから相当たくさんの方と伴走できるでしょう。しかし中には、走る意欲の乏しい方の手を引っ張っているというイメージの伴走もあります。走るのは止めだ、と言い出す人もいます。うつ病の方もいます。認知症が出てくる方もいます。不幸やトラブルが続いて自分の病気などどうでもよくなってしまっている人もいます。医者の言うとおりインスリンまで打っているのによくならないと失望する人もいます。そうなのです、すごくエネルギーが必要な伴走もあるのです。やはり一人で伴走できる患者さんの数には限界があると思います。(もちろんまだ限界ではありませんが。)一方で伴走してほしいと言われれば何とかしたいと思うのが人情。解決策の一つはやはりチームメイトを増やすことかと考えています。